検査治具は名前のように検査に用いる治具、つまり英語のジグに由来する検査用の装置のことで、目的に合わせて作られることが多いです。ジグとはもともと工作物を固定したり、加工などにおいて工作機械のガイドを行う目的で用いられる装置です。検査治具は固定具の意味合いが強く、実際のところ部品の検査などにおいて固定する装置を指すケースが殆どです。市販の一般的な固定具と異なるのは、検査対象に合わせて作られたり、オーダーメイドで作ってもらうことです。
要件を満たす固定具が市販されていない場合や、精度が重要で精度を出せる固定具が必要な場合に、検査治具が製作されます。検査治具は万力のように単純な構造のものもあれば、複雑な形状で挟む部分の作りや挟む強さまで計算して設計されるものもあります。大掛かりで複雑な検査治具は、一見してそれが何かを判断するのが難しかったり、ジグだと分かってもどのように使うのか想像がつかないことも珍しくないです。しかし、実際にジグを使ったり製作している現場経験がある人なら、ひと目見ただけでそれがどういったものでどのように使うか、自然と想像できることができます。
分かる人には分かるある意味で玄人好みのジグですが、趣味性の高いマニアックな装置に留まるものではなく、現場においてはなくてはならない仕事道具です。効率的に検査して不具合はないか、性能が基準を満たしているかなどチェックするわけですから、試作や製造に不良原因の特定と幅広く活躍します。